【パーソナル健康学】No.41 (2013・12・22)
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FROM 安永周平
先週のメルマガで、スギ花粉ばかりが
悪者にされてしまっている花粉症が、
実は、心理的なストレスによって
引き起こされる可能性がある事を、
お伝えさせていただきました。
繰り返しになりますが、新潟大学医学部の
安保徹教授によれば、花粉症の大きな原因に
「免疫力の低下」が挙げられ、この免疫力が
生活環境や人間関係のストレスによって、
低下してしまうから…だということです。
とはいえ、やはりスギ花粉が飛ぶ時期に
多くの人が花粉症に悩まされるのもまた事実。
(統計では日本人の4人に1人が花粉症です)
ですから、そもそも花粉症がどのような
メカニズムで起こるのかを知っておくことは
花粉症を克服するためには大切でしょう。
今日は先週の続きで、花粉症が起こる
メカニズムについてお伝えいたします。
さて、そもそも花粉症はどのような
メカニズムで起こるのでしょうか?
※図で見たほうが分かりやすいので、
よろしければこちらを参照してください
空気中のスギ花粉が、
あなたの鼻の中の粘膜に付着すると、
その花粉は粘液として溶け出します。
その粘液となった花粉が、リンパ球の1つ
であるマクロファージに取り込まれると、
その情報は「Tヘルパー細胞」と呼ばれる
細胞に伝達されます。
その際、Tヘルパー細胞が、
侵入してきた花粉を
誤って『敵」とみなしてしまうと、、、
今度はその情報がB細胞という細胞に
伝達され、B細胞は敵とみなされた花粉に
対抗する「IgE抗体」をその都度つくり出します。
このIgE抗体は、結合しやすい顆粒球の
肥満細胞と結合するため、花粉と接触する度に
作り出されるIgE抗体は、カラダの中に大量に
蓄積されていきます。
こうしてIgE抗体が蓄積され、
あるレベルに達すると、花粉症などの
アレルギー反応の準備が出来上がった
状態となります。
この状態で、再び花粉に接触すると、
クシャミ・鼻水などの花粉症の
初期症状が現れてきます。
そしてさらに花粉が侵入すると、
IgE抗体が花粉をキャッチして結合する、、、
この繰り返しが刺激となって、
肥満細胞が活性化し、体内でヒスタミン等の
化学伝達物質が放出されます。
これらが過剰に毛細血管や知覚神経を
刺激するために、花粉が侵入する
鼻や目の回りに炎症が起こってしまい、
クシャミや鼻水、目のかゆみなどを伴う、
つらい花粉症となるのです。
* * *
ここまで読めば、感の鋭いあなたは、
既にお分かりかもしれませんが、
『Tヘルパー細胞』が正常に働いていれば
「花粉症にかかりやすい体質」の方でも
花粉症にはならないということです。
同じ環境の中で、親子、兄弟、双子が
花粉症にかかりやすい体質なのに、
花粉症になる人とならない人がいるのは
それが原因だと言えるでしょう。
しかし、現在花粉症の人でも、
最初から『Tヘルパー細胞』が
異常だったわけではありません。
度重なる花粉の侵入にも、最初は
正常に働いてくれていたでしょう。
しかし、ある日を境に、
その働きが狂い始めてしまったのです。
その理由は、個人差はありますが
「免疫力の低下」によるものです。
様々な生活環境の変化、精神的なストレス
が引き金となって、徐々にあなたの免疫力が
低下し、Tヘルパー細胞が正常に
働けなくなってしまったと考えられます。
実際、花粉症は、環境の変化によって
精神的な緊張状態が続いたり、逆に、
怠惰でリラックスし過ぎた状態が
続いてしまう時に起こりがちです。
例えば、
・引越して一人暮らしを始めたり…
・学生から社会人になった時だったり…
・結婚して間もない頃だったり…
日々の生活環境が、ガラリと変わった時
が多いです。もしかすると、あなたも
思いあたる節があるかもしれませんね。
* * *
こういった環境の変化によるストレス、
つまり「あなたの心の中にある原因」
を無視して、世間で言われているような
花粉症対策にいくら取り組んでも、
大した効果は見込めないでしょう。
きっとそれは、花粉症の人自身が
1番感じているのではないでしょうか?
それに、花粉症対策で、いくら
花粉を防ごうとマスクや眼鏡を使っても、
花粉を完全に避ける事なんてできません。
それにも関わらず、世間で取り上げられる
花粉症対策は「とにかく花粉を排除しよう」
とするようなものばかりな気がします。
仮にそれらの方法で花粉症が治まっても、
・外出時はいつもマスクと眼鏡が必須…
・花粉が怖くて洗濯物を外に干せない…
という窮屈な生活をしなければなりません。
* * *
では、花粉症を根本的に解消するには
どうすればいいのでしょうか?
おのころ心平は、花粉症による鼻炎…
とひと口に言っても、実はそれには
3つの種類(タイプ)があると言います。
具体的に言えば、
1.肺型鼻炎
2.腎臓型鼻炎
3.胃腸・肝臓型鼻炎
の3つに分けられます。これら3つは、
どれも症状が違っていて、それぞれに
適した対策法、たとえばカラダを使った
エクササイズ等…も違うと言います。
多くの人に向けられた花粉症対策より、
あなた自身にあった花粉症対策を!
そんな方法に、あなたが興味があるなら
ぜひ、こちらをチェックしてみてください。
―安永周平
PS
ただし、これは花粉症の本当の問題である
「メンタル」にアプローチする方法なので
即効性のある方法ではありません。
来年、2~3月になってから焦らないよう
今のうちから対策を始めてみてください。