yasunaga

【パーソナル健康学】No.47 (2014・1・5)
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FROM 安永周平

今から約12年前の頃のこと…

桜舞い散る春、1年間の浪人時代を経て、
無事、希望の大学に合格した僕は、
ある場所に向かっていました。

それは、、、

「健康診断」

中高と陸上部だった僕は、
まさしく健康体そのもの。

しかし、そこで思いがけない人と
出逢う羽目になってしまったのです。

今日は、その方をゲストに
お迎えしております、、、

それでは、高血圧さん、
よろしくお願いいたします。

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わたくし、高血圧と申します。

生活習慣病の中で、糖尿病さんと並んで
「飛車角をなしている」などと
言われてしまっております。

現在、日本において、わたくし、
約3970万人の方々のカラダに
おジャマしております。

おジャマしております…というよりも、
「上が140、下が90」という
血圧の基準を満たされますと、
とたんに皆さんがわたくしのことを
注目し始められるのでございますから、
わたくしとしましては痛し痒し。

その昔、高血圧への診断は、
上が160、下が95以上を基準
とした時代がございました。

ところが、1999年2月、
世界保健機関(WHO)と
国際高血圧学会(ISH)とが、
高血圧の診断基準を改めたのでございます。

これによって日本では1600万人程度だった
高血圧患者さんが、一夜にして倍以上に
なってしまったという、笑うに笑えぬ
小噺があるほどなのでございます。

まあ、わたくしにとりましては、
皆さんがわたくしに目を向けてくださる
ことは、うれしい話ではございます。

さりとて、さまざまな病気について、
何でもかんでもわたくしのせいに
されてしまう最近の風潮には、ひとつ、
もの申したくなるのも心情でございます。

というわけで、ここで皆様に、
上が140、下が90とはいったい何か?
を再度、おさらい頂きたいと思います。

 * * *

上というのは、最高血圧。

これは「収縮」期血圧とも申します。
何が「収縮」するのかと言いますと、
もちろんそれは心臓さんでございます。

心臓さんが縮んだとき、大きな動脈に
どれくらいの血液の圧力がかかるかを、
最高血圧と申します。

心臓さんが縮むということは、
すなわち、心臓さんから血液が
ドっとカラダに放たれるわけですから、
血管へのプレッシャーは上がる
というわけでございます。

一方、下というのは、最低血圧。

これは「拡張」期血圧とも申します。
心臓さんが「拡張」したときに
血管にかかる圧力をそう呼ぶのです。

心臓さんが拡張するということは、
心臓さんにたくさんの血液が
集まります分、その瞬間は血管への
圧力は低くなるわけでございます。

まあ、収縮期・拡張期と申しましても、
それは、瞬間瞬間おとずれておるわけ
でございまして、収縮期あるいは拡張期が
連続して10秒も続くなんてことが
ありましたら、それでもう、
カラダはおじゃんでございます。

 * * *

さて、では次に、血圧の単位について
知っていただきたいことがございます。

血圧の単位というのは「mmHg」
と表記されます。Hgというのは
「水銀」を表す化学記号でございまして、
血圧140mmHgというのは、
1平方cmあたりの水銀を140mm、
垂直に押し上げる力を指すのでございます。

水銀といえば、かなり比重の重い液体
ですから、これを水の比重になおして
計算してみますと、140mmHgの
水銀計血圧というのは、なんと、
1895mm、およそ1m90cmまで
水を押し上げる力となるのでございます。

1m90cmを超える長さの血圧計など
不便でしようがありませんから、
コンパクトに水銀計で代用して
おるわけでございまして。

しかしながら、もし水で計る
血圧計がありましたら、たしかに
ご自身の身長までには血圧を
おさめておきたいものでございます。

そうなると、

血圧120ですと、162.4cm。
血圧130ですと、175.9cm…

と相成ります。現在の基準が、
至適血圧範囲120未満、
正常血圧範囲130未満に
なっておりますのも、納得のいく
話のような気もして参ります。

 * * *

さてさて、わたくし、高血圧につきまして、
医学者も生物学者も口々に

「なぜ血圧は高くなるのか、
 皆目見当がつかない」

と申します。

あなたは「本態性高血圧」などという言葉
をご存知でしょうか? 高血圧のうち、
95%までが原因不明の本態性高血圧と
されておるのが、実情なのでございます。

えらい大学病院の先生が、

「医者は降下剤などをつかって血圧を
 コントロールすることはできる。だが、
 高血圧そのものを治すことはできない」

と、どこかに赤裸々に書いて
おられましたが、それもそのはず。

95%正体不明のわたくしには、
手の出しようがない様子でございます。

ご承知頂きたいのですが、
血圧というものは、いつも一定で
あるわけではございません。

日常の生活におきましても、
様々な動作で血圧は変動しております。

ぐーんと血圧の上がる動作というのは、
1番が「排便」でございます。

ウンときばると、確かに血圧があがる
というのは実感の伴う事でありましょう。
(青すじを立てる方もいらっしゃいますな)

排尿、食事、洗面、日常における会話。
これもまた、血圧を若干上げております。
一日のうちでは、血圧は起床後1~2時間が
最も高く、就寝後1~2時間が最も低い
というのが一般的な傾向でございます。

「血圧」とはつまり、血液の血管への圧力
でございますが、みなさまのカラダには、
多様な血管が折りたたまれてございます。

太い動脈ばかりではございません。
静脈や毛細血管にも、血液は、
流々と流れております。

細い細い毛細血管まで、
全部をつなぎ合わせてみるならば、
その長さ、なんと9万kmに及ぶ
と申しますから、驚き以外の
なにものでもございません。

全身に張りめぐらされております血管網。
そう、血管は網に例えていただいた方が
より実情にあっているのでございます。

網と心臓とが、お互いを投影しながら、
その部分的な結果を都度「血圧」として、
表現しておるのです。

言い換えるならば、心臓と血管網とは、
電子と電子場、生命と生命場の関係。
あれあれ、よけいにわかりにくく
なりましたな…

まあとにかく、血圧とは、心臓の力と
血管の柔軟性の織り成すシンフォニー。

このようにお考え頂けますと、
わたくしとしては、はなはだ
気分がよいのでございます。

心臓だけではなく、
血管だけでもない。

「両者の関係」に、
血圧は顔を出すのでございます。

 * * *

お年寄りになりますと血圧が
上昇する傾向にございますのは、
毛細血管の網の柔軟性による
ところが大きいのでございます。

若いころに比べると、どうしても
毛細血管の網は縮む傾向にございますから、
心臓さんとしては、その分を押し広げよう
と血圧を上げてがんばるのでございます。

すなわち、高血圧とは、
「心臓の毛細血管の広げ力」と
言っても過言ではありませんでしょう。

ただ、心臓さんばかりに
負担をかけてしまうのも、
これまた本意ではございません。

毛細血管は、じつは自ら成長する力を
持っておりますから、そのためには、

「歩く」
「足や腕の筋肉をストレッチする」
「深い呼吸をする」

などが本当に効果的なのでございます。

そして、ここがわたくしの
もっともお伝えしたいことなのですが、
毛細血管の容量を増やすには、
細胞の隅々まで血液をお届けする
意識が大事なのでございます。

これは転じて、身の回りの
隅々にまで「思いやり」を持つこと、
と言い換えることもできます。

高血圧…。たかが、
ではなくて、されど、高血圧。

血圧のコントロールはお医者さんに
お任せするとして、本態的なことは、
ご自身でこそ取り組みたいものでございます。

――――――――――――――――――――

さて、いかがでしたか?

世の中では、「高血圧=悪」とするような
風潮がありますが、視点を変えてみれば、
必ずしもそうではない…というような
気がしませんか?少なくとも、

「高血圧」=「心臓の毛細血管の広げ力」

と考えるだけで、精神的に健全で、
ちょっと自分のカラダに愛を感じられる…
そんな気がするのは僕だけですかね?

かく言う僕自身、大学入学時の健康診断、
最高血圧で140mmHgオーバーを叩き出し、
それ以来、上がったり下がったりしながら、
フラフラしている高血圧予備軍ですが(笑)

そもそも、基準を見直した結果、
1晩で高血圧患者が倍以上になったって…
もはや、笑い話の域ですよね。

もし、あなたや、あるいはあなたにとって
大切な人が高血圧と言われているなら…

血圧のことを考えて不安になるよりも、
心臓が頑張ってくれている、だから、
自分もカラダに思いやりを持とう…

というココロを育んでみるのは
ココロにもカラダにもとても良い事だと
思うのですが…いかがでしょう?

―安永周平

PS
心臓のココロを学べば、高血圧で
不安になることもなくなるかも???

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