FROM 安永周平
あるところに6人の盲目の人がいました。
その6人が、それぞれ同じものを触り、
その感想について語り合っています。
A「柱のようです。」
B「綱のようです。」
C「木の枝のようです。」
D「うちわのようです。」
E「壁のようです。」
F「パイプのようです。」
すると、彼らはそれぞれ、
「自分が正しい」と主張して、
対立が始まってしまいました。
誰もが「自分は間違っていない」と
思って話をすれば、自分以外の
相手を否定してしまうのは当然です。
勘の言い方は既に
お気づきかもしれませんが、実は、
彼ら6人が触っていたのは「象」。
A〜Fの6人が触っていたのは…
A:象の足(柱)
B:象の尾(綱)
C:象の鼻(木の枝)
D:象の耳(うちわ)
E:象の腹(壁)
F:象の牙(パイプ)
…という、象の一部だったのです。
ですから、感想が違ったのは
当然といえば当然のことであり、
誰も間違っていなかったわけです。
(※足を柱と誤認してはいますけど…)
これは、インド発祥の寓話、
「群盲象を評す(撫でる)」
という話の中のエピソード。
これだけ聞くと笑い話のようですが、
実は私たちが対人関係で悩むのって、
こういった側面が非常に大きいです。
たとえば、最近では、
アトピー性皮膚炎の人にとって
ステロイドホルモン剤を使うのは
あまりよく思われていません。
しかし、あまりにひどい痒みを、
「今すぐにでもなんとかしたい」と
思っている人にとって、必ずしも
ステロイドホルモン剤を使うのが
間違っているとは限らないはず。
つまり…
人によって、
環境によって、
タイミングによって、
持っている知識によって…
「正しいかどうか」は違います。
ある人にとっては正しい事が、
別の人にとっては間違っている。
ある国においては正しい事が、
別の国においては間違っている。
10年前は正しかった事が、
現在においては間違っている。
つまり「正しさ」というのは、
普遍的なものではありません。
現在、おのころ心平の新講座の
準備をしている時に聞いたのは、
「正しさ」を主張する人は、
あまりコミュニケーションが
うまくいかないということ。
そして、正しさを主張し過ぎると、
対人関係で悩むことが増えてきて、
病気になってしまうことも。。。
事実、最近注目されている、
自己啓発の源流とも言える
アドラー心理学においては
「全ての悩みは
対人関係の悩みである」
と明言されています。
また、おのころ心平は
「人は1人では病気になれない」
と言います。だとすれば、
病気やカラダの不調もまた、
突き詰めれば対人関係の中で
起こるということでしょう。
ココロとカラダは
つながっていますから、
コミュニケーションをよくして
対人関係の悩みを解消していくのは、
あなたが「病気にならない生き方」
を手に入れることでもあります。
これって、私たちの人生において
大切なことではないでしょうか?
* * *
さて、3ヶ月ほど前から準備している
コミュニケーションをテーマにした
おのころ心平の新講座…来週には
このメルマガでリリースできるので、
ぜひ、楽しみにしていてください。
PS
先週のメルマガでお知らせの通り、
僕がこのメルマガを書かせて
いただくのはこれが最後です。
約3年間、お付き合いいただき
ありがとうございました。
今月末で、経営科学出版を退職し
独立することなっていますが…
ここだけの話、こちらの書籍は
とても参考になりましたよ。
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◎編集後記
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ニュースとかを見ていると
よく思うんです。
一方から見れば、
これが正しいと思うけど、
もう一方から見れば
正反対のことが正しいとなるんだろうと。
お互い主張し合うこと自体は
理解し合い、より良くするために
必要なことです。
ただ、「正しい」にも色々ある
ということを忘れないようにしたいですね。
ー剱悠子
PS
独立すると、自分で全部決めないと
いけない分、余計に「正しさ」を
意識することが出てくるでしょう。
そんな時、自分を客観的にみるための
目安になる本です
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