【パーソナル健康学】No.187 (2014.11.4)
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FROM おのころ心平
おはようございます。
おのころ心平です。
※ ※ ※
ウイルスはどこから来たか…。
最小の自己複製単位であり、
構造もシンプルだ。
だから一見、ウイルスは生命の出発点、
生物の初源形態のように思える。
それがだんだん進化して
複雑化していったと。
否。ウイルスの遺伝子を詳しく
調べてみると、それはいずれも
私たちの遺伝子の一部に
似ていることがわかってきた。
つまりウイルスは、かつて
私たちのゲノムの一部だったのだ。
私たちのゲノムは常に複製され、
あるいは転写されている。
この過程で、たまたま
はずみで細胞外に飛び出して
しまった断片があった。
※ ※ ※
それは流れ流れる旅路についた。
多くのものは分解されて絶えたが、
わずかなものだけは他の細胞に
付着して複製できるチャンスがあれば
増え、すこしずつ変化し、殻で
身を守るようになった。
そして彼らは探し続けたのだ。
かつて自分が属していたものを。
彼らは確かにそこへ帰り着いた。
しかし、彼ら放蕩息子たちは、
あまりにも変わり果てていたため、
もはやすんなり受け入れて
もらえなかった。
むしろ私たちの免疫系は
彼らをよそ者扱いして
排除しようとする。
彼らは必死に自らを増やし、
自らをアピールする。
喉の痛みや鼻水や咳は、
そんな小競り合いの結果である。
※ ※ ※
以上は、僕が好きな生物学者、
福岡伸一先生の、
『ルリボシカミキリの青』
の中の一節、「放蕩息子の帰還」
からの引用です。
福岡ハカセは、風邪をひくと、
そっと小声でささやきます。
「おかえり」と。
それは一体、誰に?
目には見えない、放蕩息子たちに…。
※ ※ ※
新約聖書ルカ福音書に出てくる
『放蕩息子の帰還』のエピソードと
ウイルスを絡めるあたり、
さすが、福岡先生一流のセンス。
風邪の症状が、長い旅路から
帰ってきたウイルスたちの、
切なる承認欲求なのだと
考えることができたなら…。
この世に存在するもの、
すべからく承認欲求を持つ。
だとしたら、
ウイルスの自己アピールを
最小限にできる方法とは…。
さあ、あなたも風邪をひいたら、
そっとつぶやいてみましょう。
「おかえり」と…。
PS
あなたのお腹回り、二の腕に
どっしりと居座っている脂肪…
それらにも意味があるとしたら、
信じられますか???