【パーソナル健康学】No.375(2015.9.10)
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FROM 川嶋朗
以前、テレビ番組で
少食やカロリー制限によって
長寿遺伝子が活性化され、
長生きできると放送されたことで、
日本全国に広まってしまった
1日に1食なら長生きできる
という健康法。
この長寿遺伝子とは、
マサチューセッツ工科大学(MIT)
生物学部のレオナード・ガランテ教授が
発見した「サーチュイン遺伝子」のことで
これにスイッチが入ると、
がんの抑制、活性酸素の消去、
筋力の強化、糖尿病・認知症の予防、
脂肪の燃焼、老化の抑制などに
働くというのです。
テレビの放送によれば、
この遺伝子には空腹時に
スイッチが入るという特徴があり、
スイッチが入ると細胞中の
ミトコンドリアが活性化し、
エネルギー効率が高まって、
結果、生物の寿命が
延びるということです。
この放送とともに、日本人の医者が
「1日1食(約515kcal)」の
空腹生活を始めてから
体重は増えることがなく、
” 血管年齢26歳、骨年齢28歳 ”
という実年齢より若々しい体を
手に入れている」
とテレビで話したことで、
さらに注目を集めました。
しかし、
実はこの番組で報道された内容は
完全に否定されています。
英科学誌『ネイチャー』で、
ロンドン大学
ユニバーシティー・カレッジの
デービッド・ジェムス氏が率いた
研究チームの
「サーチュインというタンパク質が
寿命を延ばすという過去10年間で
なされてきた多くの研究には
深刻な欠陥がある」
という論文が発表されたのです。
少食でサーチュイン遺伝子が
活性化するという研究には、
データの取り方に致命的な誤りがあった
と指摘され、現在では否定されているのです。
また、過去の研究では
サーチュイン遺伝子が
レスベラトロールによって
活性化されるとされていましたが、
これもまた、
同誌に発表された論文で否定されています。
同チームのネイチャー誌での
発表によれば、
「サーチュインは長寿の鍵とはいえず、
寿命延長効果はないとみられる」
という結論になったとしています。
そして、かつてこれらの
先駆的な実験の一部を行った
マサチューセッツ工科大学の
レオナード・ガランテ氏も、
『ネイチャー』に掲載された
「短報」の中で、自身が行なった
過去の実験には不備があったことを
認めています。
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◎編集後記
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「1日1食にすると体にいいらしいよ」
と誰かが言ってるのを、そういえば
聞いたことがあります。
好きなものを好きな時に食べたい私は
1日1食で健康!っていうフレーズに
まったく興味を持ちませんでしたが、
その時に我慢して食事を減らさなくて
本当に良かった、、、と思います。
ー剱悠子
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