kawashima

FROM 川嶋朗

自分自身が病気の本当の原因に気づき、
生活習慣や考え方、生き方などを
改めなければ病気は治らない。

私はそう確信しています。

だから診療はいつもこの質問から始めます。

「何か思い当たる原因はありませんか」

そして

「病気になった原因は自分の中に
 必ずあるはずだから、まずはそれを
 一生懸命考えてください。

 それに気づいて自分を正すことが
 できたら、間違いなくあなたの病気は
 ストップするか、去っていくはずです」

と心からお願いするのです。

そう言われた患者さんは一瞬ポカンとします。

多くの患者さんはきっと、
病状を聞いたとたん

「こういう治療をすればよくなると思いますよ」

とか、

「それならちょっと検査をしてみましょうか」

などと提案してくれる医者に慣れているのでしょう。

医者から
「なんで病気になったのか、
 自分で考えてみなさい」なんて
言われるとびっくりしてしまうのです。

そして次に患者さんは
「この先生も原因を探すのを
 手伝ってくれるのかな」と期待します。

なかには、
「医者なんだから、本当は
 原因を知っているんだろう」という表情で、

「先生は何が原因だと思いますか」
と質問する患者さんもいますが、
そういう人たちにはきっぱりとこう言います。

「あなたは生まれてから今まで、
 あなたの年齢分、自分自身と
 つきあってきましたよね。

 だからあなたのどこが悪かったのか、
 誰よりも知っているはずです。

 次に分かるのは、あなたと一緒に
 暮らしている家族でしょう。

 私は今日、初めてあなたにお会いしました。

 あなたのことをいちばん知らない人間です。

 私に『どこが悪かったのでしょう』と
 聞くのは野暮というものです」

そして何の治療も提供しないまま、
初回の診察は終了します。

それどころか、
「次はいつ来ればいいですか」
と患者さんに聞かれても、
「来なくていいですよ」と答えます。

こうしたやり取りに、
「突き放された」と感じる
患者さんもいるでしょう。

でも、
患者さんが自分の中にある原因に
気づいて自分を変えないかぎり、
病気は治りません。

どんなにがんばっても、
医者には病気を治せないのです。

それならば、私がすべきことは
一時しのぎの治療を提供するのではなく、

患者さんに意識を変えてもらい、
病気の原因を必死で考えてもらうことでしょう。

だから私は、初診の患者さんの診察には
1時間かけることにしています。

「考えてください」と言うだけでは、
なかなか考えが出てこない人が多いからです。

自分の病気のつらさしか見えていない
患者さんに、家族のことや生い立ち、
育ってきた環境など、一見すると
よけいな質問ばかりしていきます。

すると最初は怪訝な顔をしていても、
ふと何かに思い当たったりするでしょう。

その瞬間から、ほとんどの患者さんは
病気になった原因を一生懸命に
考えるようになります。

自分で病気を治すため、
必死で気づこうとしてくれるのです。

もちろん、私みたいなタイプの医者が
苦手な患者さんもいます。

「考えろと言われたってわからない」
「あの医者は役に立たない」

そう言って診察に来なくなる
患者さんもいました。

それでも、私の診察スタイルは変えられません。

最初の段階で患者さんに
自分を変えてもらわないかぎり、
その後、私がいくら患者さんを
サポートしても病気は治らないからです。

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◎編集後記
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「原因を自分で考えて」と言われると
一瞬「え・・・?」ってなりそうですが

たしかに、自分のカラダを作ったのは
私自身ですし、いくらお医者さんでも
初対面の人に「私のこと分かって!」
と言うのは、やっぱり野暮かもしれませんねw

できるなら、日頃から
自分のカラダがどうなっているのか
観察するクセを持ったほうがいいですね。

そうすれば、お医者さんに聞く前に
自分で自分をメンテナンスしやすく
なりますもんね♪

ー 剱 悠子

PS
カラダのことを知ることは
自分らしく生きる方法を
見つけることなんですよね

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