【パーソナル健康学】No.168 (2014.10.2)
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FROM 川嶋朗
「心が冷えている」
というのは、冷たい人間
という意味ではありません。
心の<冷え>とは、心の機能が
低下している状態を言います。
体の<冷え>が体中の
筋肉を強張らせてしまうのと
同じような影響を心は受けます。
喜怒哀楽など、本来の自分の
感情を認めることができない。
怒りや哀しみなど、特定の
感情に囚われている。
異常な緊張状態が続いて、
こり固まってそこから抜け出せない。
他者から肯定されたい、
愛されたいのに、それが
果たせないために、逆に
攻撃的になってしまう……等々。
心の<冷え>はさまざまな
形をとります。本来なら
血が通って、温かく、柔らかく
あるべき心が鉛の玉のように、
冷たく固まってしまうのです。
私が診たところ、人一倍真面目な
人ほど、心は冷えやすいようです。
現代は何から何まで
マニュアルで縛られていますから、
そのなかで生きていると、
あれをしなければならない、
これもしなければならない…
と、かなり窮屈です。
そこで、
「やーめた、バカバカしい、
やってられないよ!」
と、放り出せる人は、心が冷えません。
ところが、いつまでも義務を
果たそうと努力する真面目な人は、
自分の感情を殺し続けるので、
心が冷え固まってしまうのです。
できない自分を許さないと
同時に、他人をも許せません。
同様に、人一倍他人に気を遣う人、
周りに合わせようと一生懸命な人ほど、
緊張状態が続いて、自分の感情や感覚を
犠牲にしてしまう事が多く、結果的に
心が冷えてしまう人が多いのです。
* * *
これは、経験的に私が感じている
ことなのですが、30代、40代、
50代でがんを発症する人の場合、
精神的に重大なストレスを
抱えている人が多いようです。
その精神的ストレスが、
働き盛りのがんの原因に…
少なくとも遠因にはなっている
と、私は考えています。
若くしてがんになった人の話を
聞いてみると、仕事のストレス
のみならず、家庭内のストレスも
かなりのものを抱えています。
そうしたストレスを受け流して
しまえれば、がんにはならない
のかもしれません。
若くしてがん患者になる人は、
そうしたストレスに直面して、
真面目に悩んでしまう性格の
持ち主が多いように感じます。
もっとも現時点での私は、
この仮説の論拠を持っていません。
多くの患者を診てきた医師の
第6感としてお話した次第です。
それでは、来週は、
「心の<冷えの>温め方」
について、お届けしたいと思います。
PS
心と体を冷えたままにしておく事も
死ぬ時に後悔する事が多いのです。