【パーソナル健康学】No.403(2015.10.29)
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FROM 川嶋朗
いま目の前にある苦痛を
しのぐために投与した薬が、
人間にもともと備わっている
自己防衛反応まで鎮めてしまうのでは、
本末転倒といわざるを得ません。
人間の身体にはまだまだ、
現代の医学理論だけでは
解明しきれていない
「自分で治そうとする力
(=自然治癒力)」
が潜在しています。
統合医療というのは、西洋医学と
相補(補完)・代替医療とを統合し、
人間がもともと持っている自然治癒力を
引き出していくことを目指しているのです。
統合医療をあえて定義すると、
次のようになります。
「統合医療とは、個人の
年齢や性別、性格、生活環境、
さらに個人が人生をどう歩み、
どう死んでいくかまで考え、
西洋医学、相補(補完)・代替医療を
問わず、あらゆる療法からその個人に
あったものを見つけ、提供する
受信側主導の医療」
したがって、統合医療は
患者ひとりひとりに対して、
きめ細かい全人的対応を行ない、
その人にぴったりの
「オーダーメイドの医療」
を提供していくものでなければなりません。
いいかえれば、統合医療は、
これだけの進化を遂げた西洋医学の
よい部分は充分にとり入れて使いこなし
さらに相補(補完)・代替医療の
治療手段も自在に駆使し、
患者が望む診療をかなえるように
することなのです。
では、
オーダーメイドの医療とは
どんなものなのか、例をあげて
少し説明してみましょう。
東洋医学では、
「気(き)・血(けつ)・水(すい)」
が人体を構成し、生命を維持するための
基本的な物質と考えられています。
「気」は、
生命エネルギーの基本となるもの。
「血」は文字通りの血液を指し、
「水」は体内に存在する体液を指します。
これらが
バランスよく体内をめぐっていれば
問題は起こらないわけですが、
例えば気が足りなくて
エネルギー不足の状態を「気虚(ききょ)」
血が滞ってめぐりが悪い状態を
「お血(おけつ)」などといいます。
そこで、ふたりの患者がそれぞれ
便秘を訴えたとしましょう。
西洋医学では、おそらくふたりに
同じような薬を処方すると思われます。
しかし東洋医学では、
患者の訴えをよく聞き、
様子をしっかりと観察して、
場合によっては患部を触って
診断を下していくのです。
この結果、同じ便秘でも、
ひとりは気が不足して便を
押し出す力が低下していること、
もうひとりは水分不足で
便が固くなって出にくいことが
それぞれわかれば、
まったく異なった治療方針が立てられます。
これを
「同病異治(どうびょういち)」
といいます。
逆に病気は違っていても、
ふたりの患者が同じお血症だと
いうことがわかれば、
同じ治療法で
治療を行なうこともあるのです。
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◎編集後記
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直接感じる症状や、
病院で告げられる病名は同じでも、
そうなった原因はバラバラだってことも
ありますもんね。
人それぞれに合った
オーダーメイドの医療が受けられる場が
増えていけばありがたいなと感じました。
ー剱悠子
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