FROM 川嶋朗
これまで、アルツハイマー病の
発症メカニズムや症状について見てきましたが、
アルツハイマー病に罹りやすい人の
特徴にはどんなものがあるでしょうか。
・生活習慣病との関連
まず、最近の研究で盛んにいわれている
生活習慣病との関連です。
高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、
認知症・アルツハイマー病とともに
発症の危険因子です。
特に糖尿病を抱える人は、
健康な人に比べてアルツハイマー病を
2倍発症しやすいという調査があります。
糖尿病の前段階という側面もある
高インスリン血症は、
インスリンが過剰に分泌される病気ですが、
このインスリンには、
アルツハイマー病の引き金とされる
老人斑をふやす働きが確認されています。
また、記憶を司る
海馬へのダメージもあるので、
生活習慣病とアルツハイマー病は
表裏一体ともいえます。
・高齢である
高齢になればなるほど
発症率が上がることから、
高齢であるというだけで、罹患率は
高くなってしまうことは避けられません。
・偏食傾向がある
緑黄色野菜や魚を食べず、
肉や高脂肪食を好んで、
そればかり食べている人は、
統計的にアルツハイマー病が多い
という報告があります。
・運動をしない
運動は、βアミロイドを減らして
血流を上げる効果があり、
アルツハイマー病予防には
欠かせない要素です。
運動をしない人が
アルツハイマー病になる確率を1とすると、
週2回、1回20分以上の有酸素運動をする人は、
0.38に減るといわれます。
・ストレスを感じやすい
生きていくうえで、日々ストレスがかかるのは
ある程度しかたのないことですが、
ささいなことでくよくよ悩んでしまったり、
沈み込むことが多かったり、
また、否定的な感情を持ちやすい人は、
そうでない人よりアルツハイマー病に
罹る率が高くなるといわれます。
2005年に発表された米国の研究では、
物事を悲観的に考えたり、
うつ傾向のある人は、
将来認知症になる可能性が
1.3倍高いという結果があります。
・喫煙している
喫煙によってアルツハイマー病は予防できる、
という説が流布していましたが、
これは現在では、逆であるということが
医学的に証明されています。
世界中のさまざまな疫学研究の結果、
発病リスクは下がるどころか
上昇するというのが共通した結論です。
また、喫煙には、
記憶力の低下、思考力の低下、
脳の老化促進など、
体の各機能が低下する原因となることが
報告されています。
このほか、研究途上ではありますが、
1時間以上昼寝をする人、
肥満の女性、
水分の摂取が少ない人などに
アルツハイマー病が多いという報告もあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まだまだ暑い日が続きますが
先月よりは風が
心地よくなってきました。
運動の秋…ということもあり
私も何かカラダを動かさないとと思い、
ホットヨガの体験に申し込みました!
ー 三浦ともこ