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FROM 帯津良一

中国に中西医結合(ちゅうせいいけつごう)
という考えがあることは知っていたし、

すでに阿片戦争(1840~1842年)の頃から
取沙汰されていることも
仄聞(そくぶん)していた。

ただそれだけである。

それ以上のことは何もわからない。

これはどうしても一度訪中して
中国医学がいかにがん治療に貢献しているか、

この目で確かめてみようと
ここまでは一気に辿り着いた。

そういえば北京市と東京都は
姉妹都市である。

北京の医師が二、三人連れだって
二、三カ月くらいの日程で

都立駒込病院に研修に来ているのを
時に目にしていたし、

歓迎あるいは送別パーティーに
出席したこともある。

二、三の外科仲間に酒呑み話に
このことを持ち出してみると

誰もが行ってこいとけしかける。

「よし!行ってみよう」と腹を決めて、
東京都の衛生局に恐るおそる願い出てみた。

ところがこれこそ
瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)、

二つ返事で行ってこいと言う。

北京からの先生方を引き受けるだけでなく、
こちらからもその見返りに派遣するという

バランス感覚のもたらしたこと
だったのではないだろうか。

招聘元(しょうへいもと)は
北京市立がんセンター。

日程は15日間。

同行は岩塚廸雄先生と酒井忠昭先生。

1980年9月のことである。

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◎編集後記
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やっと少しずつ
秋が深まってきました。

近所に来る焼き芋やさんの車。

夏には来なくなるのですが、
最近復活しました!

―三浦とも子

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