FROM 帯津良一
前半の北京見学と後半の上海見学の間の
3日間を利用して抗州(こうしゅう)へ。
抗州といえば西湖(せいこ)。
西湖といえば中国きっての名勝の地であるが、
内外の観光客も、まだきわめて少なく、
それは静かなもの。
遊覧船上から見た湖畔で
太極拳に興じる若い娘さんの美しさに刺激されて、
誰もいない蘇堤(そてい)に坐って
調和道丹田(ちょうわどうたんでん)呼吸法を演じてみた。
蘇堤はかつてこの地域の官途についていた
北宋の詩人蘇軾(そしょく)がつくった
といわれる湖上の堤。
一方、調和道丹田呼吸法のルーツは
白隠禅師の『夜船閑話(やせんかんわ)』。
その『夜船閑話』に次のような記載がある。
「また、蘇軾も次のように説いている。
食事は空腹になってから食べ、腹八分目で止めておく。
そして散歩をして、できるだけ腹が空くように努め、
空腹のときに静かな部屋で端坐瞑目して、
出入の息を数える数息観(すそくかん)を修す。
一息から数え十に到り、
十から数えて百に到り、
百から千へと数えていくと、
やがて身体は兀然(こつぜん)として動かず、
心は寂然たること虚空に等しい。
これを久しく続けていると、
あるとき、ひと息おのずから止まって、
出るのでもなく入るのでもなくなると』
(『白隠禅師の気功健康法』帯津良一、佼成出版社、2008年)
つまり調和道丹田呼吸法のルーツである
『夜船閑話』に登場する蘇軾のつくった蘇堤で
調和道丹田呼吸法を実修するという
ご縁をしみじみと楽しんだのである。
さらにもう1つのご縁。
湖畔のおみやげ屋さんで
「雨も亦奇なり」と題した絵を購入。
後でこの題名が
蘇軾の七言絶句からのものだと知る。
湖上に飲す。
初めは晴れ後に雨ふる2首。
水光瀲灔(れんえん)として
晴れて方に(まさに)良し
山色空濛(くうもう)として雨も亦奇なり
西湖を杷って西子に比せんと欲すれば
淡粧濃抹(たんしょうのうまつ)
総べて(すベて)相宜し(あいよろし)
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◎編集後記
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だんだん空気が冷たくなってきました。
寒くなるととても苦労することが(涙)
それは…
朝起きることです。
ポカポカした布団から出るのがつらいですよね。
朝スッキリ起きるためにも
短時間でも湯船につかって
質のいい睡眠をとりたいです!
ー 三浦ともこ