【パーソナル健康学】No.136 (2014.7.29)
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FROM おのころ心平
おはようございます。
おのころ心平です。
6月、7月と
血液型タイプ論シリーズで
お届けして参りました、
「パーソナル健康学」。
いよいよ最終回です。
引用させていただくのは、
永田宏先生
・医学博士(東京医科歯科大学)。
筑波大学大学院理工学研究科
修士課程修了。
・長浜バイオ大学教授。
・研究=医療統計
の血液型に関する著作
『血液型で分かるなりやすい
病気なりにくい病気』(講談社)
から…。
※ ※ ※
この本では、まず
『いまや日本の医学部で
血液型について語ることは、
輸血と臓器移植以外は
完全にタブーになっています。
血液型は似非科学の
象徴とされています。
特に若い世代のドクターの中には
血液型と病気の話をすると
あからさまに嫌な顔をすることも
あります。
ただ、60代70代のドクターの中には、
血液型と病気の関係に興味を持っている
人も多くいますから、話をしてみたくなったら
相手の年齢を確認する必要があります』
…と、医療における血液型の
位置づけを説明しています。
医者も一枚岩ではありません。
世代によって興味も関心も
違うわけですね。
※ ※ ※
『過去におこなわれてきた
血液型と病気に関する研究は
実に多岐にわたっています。
何百種類もの病気が、多くの
研究者によって調べられてきました。
その中には
リウマチなど自己免疫疾患も
あれば、双極性障害といった
精神疾患も含まれます。
アキレス腱の断裂と血液型の
関係といった奇抜な研究もありました。
しかし論文は数多く出ているのですが
血液型との関係があると言える水準には
達していないものがほとんどです』
※ ※ ※
永田先生は、
血液型について発表されている
膨大な医学論文をくまなく
精査したうえで、
『アメリカの国立がん研究所は、全米の
医療従事者のうち約10万7千人を対象に
8.6年間の追跡期間を経て92万8千サンプル数
をもとに膵臓がんの血液型によるかかりやすさを
調査しました。
その結果、
O型がもっとも膵臓がんに
かかりにくく、O型と比べると
A型は1.32倍
AB型は1.51倍
B型は1.72倍
かかりやすいというデータが導きだされました』
というように、ほんとうに
慎重な言い方に終始しています。
※ ※ ※
うー、しかし…、
これほどまでに
大規模なコホート研究を
なした上でない限り、
医学の世界では、
血液型への関係性は
言及できないということなんですね。
き、きびしい世界です。
そのような延長線上で、
永田先生は、
血液型は、
・胃がんにも関係しています。
・静脈血栓症と肺塞栓症のリスクも
血液型によって大きく変わってきます。
・感染症では、
ノロウイルスやピロリ菌などは、
消化管粘膜細胞の表面にある
血液型物質を、味(み)分けて
感染していることがわかってきました。
など、それでも血液型で差異がみられる
疾患のケースを取り上げて解説しています。
※ ※ ※
最後に、
永田先生らしい考察をご紹介して
締めくくりといたしましょう。
『…以上のように、
血液型と「寿命」の関係は
今のところはっきりとしません。
でも、社会的にはその方がよいのでは
ないでしょうか。
もし、寿命と血液型が
関係しているとなったら、
生命保険も
血液型によって
保険料が変わってくる
かもしれません。
結婚相手を選ぶ際にも
血液型がひとつの条件に
なるでしょう。
でも、いまのところ、
そんな心配はしなくてよさそうです…。』
血液型、…ああ、血液型。
そのなまめかしい分類法について、
ひとまず、シリーズを完了したいと
思います。
PS
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