FROM 川嶋朗
「代替医療?そんなのインチキだ」
と憤慨する西洋医学の医者。
「西洋医学なんか信用すると、
ろくな目にあわない」
と応戦する漢方医。
この戦い、おかしいと思いませんか。
両者の目的は同じ。
病気を治すことです。
だったら、
どちらかひとつを選ぶのではなく、
両者のいいところをもち寄って連携すればいい。
これが統合医療の考え方です。
たとえば、膠原病や
アトピー性皮膚炎の患者さんは、
ステロイドホルモンを投与して
病状が安定していれば、
薬をやめたくても
なかなかやめられません。
症状がぶり返すのが恐いからです。
医者も、安易に投与を中止して
危険な状態になったら
自分の責任問題にかかわります。
だから、なかには
「どうなっても知りませんよ」
などという脅しめいた言葉で、
薬をやめさせない医者もいるほどです。
しかし、ステロイドホルモンは、
本来自分の副腎がつくるもの。
ただ、患者さんは、今は
” つくれない体 ” になっているだけなのです。
外から投与されたステロイドホルモンが
効くということは、見方を変えれば、
本来の ” つくれる体 “ をとり戻しながら
徐々に薬をやめていくやり方も
できるのではないでしょうか。
これが統合医療のあり方だと思っています。
もちろん、主体は、
あくまでも患者さんです。
同じ病気の患者さんでも、
受けたい医療は一人ひとり違います。
年齢、性別、性格や
家庭環境によって違うのはもちろん、
その人が残りの人生をどう生き、
どんな最期を迎えたいかという人生観、
死生観によっても大きく変わります。
西洋医学、代替医療、そして患者さん。
この3者がパートナーシップを組んで、
ありとあらゆる医療のなかから
その患者さんにいちばん合った医療を
選んで実践していくのが統合医療です。
患者さんにとっては、
お仕着せではないオーダーメイドの
医療だともいえます。
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◎編集後記
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患者さんからすれば、
「西洋医学でも代替医療でも
何でもいいから、私に合う
治療法でこの病気を治したい」
というのが本音なのでは?と思います。
ただ、私たち患者側も
自分の病気のことは自分のことだから
よく知らないと決められないだろうし、
病気を治してどんな人生にしたいのか
ちゃんと伝えられるようにしていきたいですね。
ー 剱 悠子