FROM 川嶋朗
QOL
(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)
というのは、医療や介護の現場で
使われ始めた言葉で、
当初はがんなどの病気になって
手術や治療を受けても、
その後の日常生活が支障なく
送れる状態のことを指していました。
QOLが低下するといえば、
(手術などをすると)
人間らしい生活の質が
保てなくなることをいいます。
QOLは
今では広範囲に使われるようになり、
人生における心の充実度まで
指すようになりました。
そこで、私は息が絶えるギリギリまで
自分らしい生き方をし、
最後も希望どおりの死を叶えることが
理想的なのではないかと思い、
QOD(クオリティ・オブ・デス)
つまり死の質を高めましょう
ということを提案しているのです。
QOLを高く保ったまま死を迎えれば、
非常に満足のいくQODに
なるのではないかと私は思っています。
人間は、いずれは必ず死んでいきます。
これを意識することは、
QODやQOLを考える際に
とても重要になってきます。
自分の理想の死
(=QOD)について考え
準備をすることで、
人生における生活の質や
心の充実度(=QOL)が高まり、
人生はより豊かになると考えるからです。
一生元気で生きたいといっても、
永遠の命はないのですから、どこかで
妥協しておかなければいけません。
本当のところ、
悔いが残らない人生なんて
あり得ないと思います。
でも、
自分の人生に何か区切りをつけないと、
死ぬための準備ができないと思うのです。
だから、そこまでできたら
人生上々だと思えるところを決めて、
やりたいことを1つ1つ実行する。
そうすると生活がいきいきとして
目標も達成できるだろうというのが、
私の提唱しているQOD、
つまり死の質を高めましょう、
という考え方です。
期限がないと
気が遠くなってしまいますから、
とりあえず自分の生きたい年齢までを
一応の区切りとして、
そこから逆算して
どのくらいのことができたら、
悔いのない人生の締めくくりといえるのか。
それを考えてみませんか、
というのが、私が提案している
QODを高めることなのです。
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◎編集後記
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「死」と「生」は遠くにあるのではなく
すぐ隣にあるもので、
「死」を意識することで
「生」を輝かせることができるのですね。
ダラダラ過ごした日は
あっという間に夜になってしまいますが、
意識して過ごすしていると
時間が過ぎるのが
愛おしく感じるものです。
1日1日を
大切に過ごしていきたいと思います。
ー 三浦 とも子