kawashima

FROM 川嶋朗

まだはっきりとがんができる条件などは
わかっていない部分もあるのですが、

がんができる理由として考えられているのが、
主に細胞のコピーミスと免疫力の低下です。

新しい細胞は細胞分裂によって生まれますが、
その過程でコピーミスが起こり、
がん細胞が生まれます。

また、
上皮と呼ばれる胃や腸などの表面部分に傷がつき、
その傷が修復されるときに問題が発生して
がんが生まれることもあります。

しかし、細胞のコピーミスが起きても、
私たち人間の体内には
遺伝子の修復システムが働いています。

たとえ、がん遺伝子が読み込まれそうになったとしても、

ほとんどの場合、
その遺伝子はまたたくまに修復され、がんは発生しません。

がん化に導く遺伝子の異常を見つけて修復しようとする
特殊な遺伝子も、いくつか見つかっています。

また、細胞は老化やDNAの傷害に対しては自然に死ぬように
プログラムされています。

DNAの傷害を修復できない場合は、
アポトーシスという細胞の自殺機構が働き、
細胞を死なせてがん細胞の発生を防ぎます。

この修復システムに関係する遺伝子に異常が起こり、
システムが正常に作用しないと、

死ぬべき細胞が異常増殖を始め、
がん化していくのです。

ところが、発生したがん細胞は、
すみやかに免除システムが消去してくれます。

がん細胞は健康な人でも発生しているといわれていますが、
強い免疫力が、発生したがん細胞を死滅させることができれば、
がんを発症することはありません。

人間の体にはウイルスや病原菌を退治する
リンパ球と呼ばれる免疫担当細胞があります。

1日に3000〜5000個ものがん細胞が生まれても、
リンパ球が1つ残らず退治してしまえば、
がんを発症することは、まずありません。

このように、コピーミスによりがん細胞が生まれても、
遺伝子の修復システムやアポトーシス、

そして人間が備えている免疫力によって
がん化する前に消滅していくのです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

異常が起きたとしても
修復しようとする人間の体の不思議と
強さを改めて感じました。

私の、この体がめいいっぱい
そなえている機能を働かせられるように

持ち主である私が
自分の体を慈しんでいきたいです。

ー 三浦 とも子

ブログにコメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。* が付いている欄は必須項目です。