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FROM 川嶋朗

多くの医者は、
「抗がん剤では、がんは治らない」と思っています。

それが、医者たちが
「抗がん剤を使いたくない」と考える理由の1つです。

この点について、もう少し詳しく説明しましょう。

現在、日本のがん治療においては、
「化学療法(抗がん剤、ホルモン剤などを使った治療)」
「外科手術」
「放射線療法」
が「三大療法」「標準治療」とされています。

日本で使われている抗がん剤は100種類以上あります。

使用の目的や投与方法、効果の度合いはそれぞれ違いますが、
その多くは「がん細胞を分子あるいは遺伝子レベルで攻撃し、
増殖を抑える」というものです。

抗がん剤は、手術の前にもよく使われます。

がんが早期に発見され、まだ小さいうちであれば、
外科手術でとってしまうことが多いのですが、

がんが大きい場合には、
抗がん剤や放射線で小さくしてから手術で摘出する、
という手法がとられるのです。

ここで使われる抗がん剤では、
がんを小さくすることはできても、
消すことは難しいと言わざるをえません。

なお、抗がん剤や治療法の効果をあらわす際に、
よく「奏効率(そうこうりつ)」が用いられます。

「奏効率」はよく、「その抗がん剤や治療法によって、
がんが治った患者さんの割合」だと誤解されがちですが、
そうではありません。

これは「がんが50%以上
小さくなった患者さんの割合」にすぎないのです。

ちなみに日本では、臨床試験において、
被験者のうち2割の患者さんの腫瘍の大きさが、
4週間以上にわたって50%以下になれば、
その抗がん剤は医薬品として認可され、保険が適用されます。

ほかの8割の患者さんに効かなくても、
5週間めに腫瘍が大きくなっても、関係ありません。

そして抗がん剤が実際に効くかどうかは、
投与してみなければわかりません。

それぞれの抗がん剤が、
どのような人、どのような状態のがんに効くかがわかれば、
抗がん剤の効果はもっと高くなるはずです。

しかし現時点ではそれはわかっておらず、
ある意味ではやみくもに抗がん剤を投与しているのです。

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◎編集後記
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抗がん剤と1口でいっても
日本で使われているものだけで
100種類以上あるとは、
びっくりしました。

抗がん剤について
知識を持つことが、
がんという病気と向き合うために
大切なことなのだと感じています。

ー 三浦 とも子

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