FROM 川嶋朗
医者たちが「抗がん剤を使いたくない」
と考える理由としては、
ほかにも「副作用のリスク」が挙げられます。
抗がん剤でがん細胞を攻撃するものは、
同時にそれ以外の細胞も攻撃します。
特に影響を受けやすいのが、
毛根細胞や皮膚細胞、口腔・胃腸の粘膜細胞など、
分裂・増殖のスピードの速い細胞です。
がん細胞には「増殖が速い」という特徴があり、
抗がん剤はそのような細胞を狙うからです。
抗がん剤の副作用として、
よく脱毛や口内炎、嘔吐、下痢などが
あらわれるのは、そのためです。
また抗がん剤は、
骨髄にある造血細胞を攻撃することもあります。
造血細胞がダメージを受けると、
新しい血球や血小板を作ることができなくなり、
赤血球や白血球、血小板の数が減少します。
これを「骨髄抑制」といいます。
赤血球の減少は、貧血を招きます。
白血球は免疫システムの1つであり、
これが減少すると、
がんに対する免疫力が下がって感染症にかかりやすくなり、
将来、二次がんになるリスクも高まります。
血小板が減ると、出血しやすく、止血しにくくなり、
脳内出血、消化管の出血が起こるリスクが高まります。
さらに抗がん剤の中には、
肝機能障害や腎機能障害、心機能低下などの
副作用をもたらすものもあります。
脱毛や嘔吐、骨髄抑制などは、
抗がん剤の投与が終われば治まることが多いのですが、
臓器が著しくダメージを受けると、
機能障害などの副作用が長く続く恐れがあります。
私の友人である水上治先生は、
いくつかの病院での勤務を経た後、2007年に、
東京・市ヶ谷に「健康増進クリニック」を創設。
私同様、西洋医学と相補・代替医療(以下、代替医療)を
組み合わせた統合医療に力を注いでいます。
水上先生とも「自分ががんになったらどうするか」
という話をしたことがあるのですが、
そのとき先生は
「西洋医学の治療だろうと代替医療だろうと、
少しでも可能性があるなら、お金が許す限り何でもやります。
ただ、抗がん剤だけは拒否したいですね」
とおっしゃっていました。
先生が抗がん剤を拒否する理由は、来週お伝えします。
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◎編集後記
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抗がん剤に副作用があるとは
知っていましたが、
今回は、その理由を学ぶことができました。
つらいと感じる内容のものもありますが
知識を得ることは
選択肢や可能性を増やすことだと思うので
1つずつ、勉強していきたいと思います。
ー三浦とも子