FROM 川嶋朗
冷えが解消されたことにより、
症状が緩和される、
もしくは治ってしまうという例は
ほかにも数え切れないほどたくさんあります。
冷えているから病気になるのか、
病気だから冷えるのか、
冷えについては多くの臨床例を持っている私でも、
そこは分かりません。
しかし、冷えと不調や病気には
関係性があるのです。
私は、統合医療を提唱する医師として、
多くの患者さんを診療してきました。
私のもとには、それこそ指のケガから
末期ガンを患った人まで、さまざまな方が訪れます。
現在、私が診療している
東洋医学研究所付属クリニック
自然医療部門(東京・渋谷)では
西洋医学と、補完代替医療(CAM)などを
組み合わせた統合医療を行っています。
東洋医学、食事療法、催眠療法、
ホメオパシー、放射線ホルミシスなど、
患者さんひとりひとりに沿った治療法を
患者さんと一緒に考えて実施していきます。
診療をしていて思うことは、
現代ほど冷えている時代はない、ということです。
街のなかを見回してみても、
デパートなどの屋内はもちろん、
あちこち張り巡らされた地下街、地下鉄…。
いたるところにエアコンが効いているのは当たり前。
夏は寒く、冬は逆にムッとした暑さとなり、
外気とのギャップは大きくなるばかりです。
寒暖の差が激しければ、
それだけで体力が奪われていきます。
また、冷蔵庫がない家は、
いまやどこにもないでしょう。
いつの間にか、冷えたお茶を飲むことは、
1年を通してふつうのことになってしまいました。
物理的な冷えばかりではありません。
舗装された道路、
コンクリートとガラスだらけの街並みは、
気分を寒々しくさせるばかり。
ニュースでは、陰惨な事件や
事故ばかりが報道され、
心胆を寒からしめます。
子どもたちのイジメは、
なくなるどころか激化している状態で、
ニート状態の若者もふえる一方です。
「心身一如」といいますが、
体が冷えることと同様、
心が冷えることでも体調そのほかに
よくない影響を及ぼします。
うつなどの精神的な病は、
やはり冷えが関係していると私は思っています。
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◎編集後記
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学生時代に落ち込んでいるとき、
友人がラーメンをご馳走してくれました。
その日は寒い日で冷たい空気が
ますます心を沈ませていたようです。
湯気のたったラーメンを食べたら
カラダもココロもポカポカした、
幸せな冬の思い出です。
ー三浦ともこ