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FROM 帯津良一

三役にそれぞれ適任を得て
いよいよ開院だ。

忘れもしない1982年11月1日。
雨のなかの開院式だ。

大勢の方が来てくださったが、
その一部始終については
ほとんど憶えてはいない。

いまでも鮮やかに思い出すのは、
私が学生時代から通っていたバー「フローラ」の
ママさんである永井せい子さんと、

はるばる岐阜羽島(はしま)からやって来た、
易学の泰斗(たいと)で、

私自身その恩恵に何度も浴していた
日蓮宗の菊地日伸老師ご夫妻の姿である。

翌日の開院初日から
大勢の患者さんが詰めかけてくれた。

さすがに生まれ育った川越では
わが知名度もそれなりに高かったものと思われる。

しかも中西医結合の旗印をかかげてはいても
私の知名度は外科医としてのものだ。

都立駒込病院あるいは東大病院と
同じような患者さんばかりである。

そういう雰囲気のなかで
中国医学の準備を決してあせることなく
ステディに進めていった。

まずは漢方薬。

漢方薬については、それまでの私は
まったくの門外漢(もんがいかん)であった。

都立駒込病院の診療では
津村順天堂(つむらじゅんてんどう)さんとは
多少の接触はあったが

実際に処方するということはなかった。

病院自体がまだ漢方薬を扱おう
という仕組みにはなっていなかった。

ただ中国から帰国してから、
毎月の薬事委員会にエキス剤の漢方薬を申請はしてみた。

しかし1回の申請で、
例えば葛根湯(かっこんとう)なら葛根湯だけを
1剤という定まりがあったので、

津村順天堂さんで収載している
100剤以上の漢方薬を全て申請するとなると、
全く気の遠くなるような話ではあった。

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◎編集後記
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先日インターンネットでスプーンを購入。

ホームページにはこだわりや品質について
詳しく買いてあって、
届くのを楽しみにしていました。

いざ届いたら想像通り綺麗で素敵なスプーン。

だけど…
すくう面が平たくてとても食べにくいのです(笑)

ネットでものを買う難しさを感じました。

―三浦とも子

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